さて、子供(に限らず大人も)がカゼをひいたり病気で発熱した時には「お風呂に入っちゃダメ」なんて言いますよね?わたしもつい最近まで、熱を出したときには入浴はNGだと思っていたんです。
しかし、欧米ではカゼをひいたらお風呂に入るのが当たり前の風習になっているそうで…日本とはまったく逆ですよね。
気になっていろいろ調べたところ、実は「カゼをひいたときや病気のときにもお風呂に入ってOK!」だということが分かったのです。
そこで今回は、インターネットや育児書などさまざまなソースから「カゼ・病気の時の入浴について」を調査しまとめてみました!
目次
カゼをひいたらお風呂に入っちゃダメ!…はウソ?
お風呂NG説についていろいろと調べてみると、「お風呂に入ったら風邪がひどくなった」「入浴したらカゼがぶり返した」…などの意見がけっこうあるんですよね。
しかし医療系のサイトで調べてみると、どうやらこれらの意見は科学的な根拠がまったくないただのウワサのようで…お風呂にはいることでカゼが悪化するようなことは、基本的にありえないそうなんです。
ではなぜ、そんな根拠のない話が出回っているのでしょうか…?
お風呂で湯冷めするから…は古いッ!
わたしが調べた限りでは「お風呂に入ったらカゼが悪化する」という意見の多くは、湯冷めをするからという理由によるものでした。
つまり、脱衣所で服を脱いだり、濡れた体が冷えてしまうことで、カゼが悪化したり熱が出てしまうという主張ですね。
たしかに以前の日本であれば、浴室が屋外にあったり、すきま風の多い木造家屋だったり、お風呂といえば銭湯だという時代もありましたので…
そういう時代であれば「お風呂に入って湯冷めする」ということが頻繁にあったのかも知れません。
しかし今は平成の世です。ちゃんと注意さえしていればお風呂で湯冷めするなんていうことはほとんどないと言えるでしょう。
冬の脱衣所や廊下はたしかに寒いですが…ほんのちょっとの時間ですので、着替えてお部屋に戻るまでに湯冷めするなんてことは普通ありえません。
いまの住宅は機密性も高く、部屋はちゃんと暖かい状態にすることができますし、どうしても寒いときは暖房器具を脱衣所において暖めることだって可能です。
つまり「湯冷めをするからお風呂にはいっちゃダメ!」というのは昔の話であって、今はそんなことを気にする時代ではないということなんですよね。
お風呂に入るメリットとは?
さて、お風呂にはいってもOK!というのはなんとなく分かってきたかと思います。では逆に「カゼや病気のときにお風呂にはいるメリット」についてもご紹介しておきましょう。
●身体の汚れを洗いおとしキレイに保てる
●皮膚を清潔にし湿疹やかぶれなどを防ぐ
●毛細血管がひろがり血行が良くなる
●新陳代謝が活性化される
●呼吸器が加湿されて症状がやわらぐ
つまり、カラダ・皮膚を清潔に保つことはもちろん、入浴によって血行が促進されたり、新陳代謝がより活性化される…というメリットが大きいようです。
また、お風呂のあたたかい湯気により呼吸器(のどや鼻、気管など)が加湿され、鼻水・せき・たんなどの症状が楽になるという点もメリットです。
お医者さんが書いた本などを見ていても、「微熱くらいであればお風呂に入れたほうがよい」「熱が出ていても子供が元気に動きまわってればOK」と書いてあることが多いようですね。
お風呂に入るときの注意点!
もちろんメリットばかりではなくデメリットもあります。下記のようなものが入浴する際の注意点として挙げられるでしょう。
⚫︎熱いお湯は体力を消耗する
⚫︎病気・ケガによっては炎症がひどくなる
⚫︎汗がひいてから布団に入るべき
⚫︎皮膚の病気はかゆみが増すことも
⚫︎伝染病のときはタオルに注意
⚫︎熱すぎるお湯は肺や心臓に負担がかかる
まず気をつけるべきなのはお湯の温度です。熱いお湯での入浴は、体力を消耗してしまったり…血行が良くなることによって炎症がひどくなったり…痛みやかゆみが増すこともあるようです。
カゼや病気のときに最適なお湯の温度は、ぬるめの37度〜38度くらいが良いと言われています。普段は42度くらいに設定していると思いますですので、けっこう冷たく感じるかもしれないですね。
すぐ出てしまうと逆に身体が冷えてしまうので、37度〜38度の湯温をキープしつつゆっくりと入浴し、身体があたたまるのを確認してからお風呂からあがるようにしてください。
また入浴後には、汗がしっかりとひいてから布団に入るようにしてください。パジャマや布団が汗でびちょびちょになっていては、それこそ寝冷えしてしまいます。
また、接触によって感染する病気では、バスタオルなどを通して家族にうつってしまうこともあるようです。
いずれにせよ、お風呂に入ってよいかどうか心配なときは、かならず医師のアドバイスを受けるようにしてください。はじめに診断を受ける際に「お風呂に入れても大丈夫ですか?」などと聞いておくのがよいでしょう。
体温を上げると免疫力もアップ!
お風呂に入って身体をあたためることにはもうひとつ大きなメリットがあります。それは免疫力のアップです。
人間の身体をウィルスや細菌などの外敵から守る免疫システムは、じつは体温ととても深い関係にあります。
体温が1度さがると免疫力は30%も低下してしまいますが、逆に体温が1度あがると免疫力は500%〜600%に上昇します。
つまり、体温が高い方がカゼや病気は治りやすいということ。人間が病気のときに熱を出すのはじつは身体を守るためなのです。
なので、高熱で子供が疲れ果ててぐったりしている…なんて時以外は、解熱剤などで無理やり熱をさげてしまうのはあまりおすすめできません。
…と、ちょっと話題がズレてしまいましたが、カゼのひき始めなどのまだ体温の低いタイミングでは、お風呂に入って身体をあたためることで免疫力があがり治りが早くなるというメリットもあるということを覚えておきましょう。
入浴を避けるべき症状は?
以下のような場合には、お風呂に入るのを避けてください。
⚫︎高熱(38度以上)のとき
⚫︎食欲や元気がないとき
⚫︎嘔吐や下痢がひどいとき
⚫︎重い発作があるとき
まだ熱が高くて体力が消耗しているときや子供がぐったりしているときには、さらに体力が奪われてしまう危険があるので入浴をしないでください。
熱が高いというのが何度くらいか?…は個人差があるので断言は難しいですが、目安となるのは38度くらいでしょうか。
熱が37度台であればお風呂に入っても問題はないと思います。38度以上であっても子供の様子が元気であれば大丈夫です。
また、嘔吐や下痢などを繰り返しているときは入浴を控えましょう。下痢や嘔吐によって水分が失われた状態で汗をかくと、さらに水分が失われ脱水状態になる危険があるからです。
まとめ|カゼをひいたらお風呂に入ろう!
さて、いかがでしたか?
脱水に気をつける、体力の消耗が激しいときには入浴しない、熱いお湯ではなくぬるいお湯につかる、など気をつけたいポイントはいくつかあるものの…
カゼをひいたり軽い症状の病気のときには、お風呂に入っても構わない、むしろお風呂に入ったほうがメリットが多い!…ということがわかったと思います。
子供をお風呂に入れてもまったくかまいませんので、安心して入れてくださいね。
またしつこいようですが、ひとくちに病気と言ってもその症状はさまざまです。医師の診断をしっかりと受けて最終的には医師のアドバイスに従うようにしてください。