こんにちは!子育てアドバイザーの[ぷぅこ]です。
最近うちの3歳の娘が夜中にあやしい行動を起こすようになりまして…
夜中になんらかの気配を感じてハッと起きたら、私たちの寝室のドアを半分あけたまま、まるで座敷わらしのようにじぃ〜っとこちらの様子をうかがっていたり…
夜中に子供部屋をぬけだして、気づいたら朝まで別の部屋で寝ていたり…
まさかこれはかの有名な夢遊病では⁉︎ と思い、ネットや育児書でいろいろと調べてみると…子供の睡眠障害にはいろいろな種類があることがわかったんです。
そこで今回は、子供の「睡眠障害」や「気になる子供の夜間行動」についてまとめてみました!
目次
不眠症
「不眠症|ふみんしょう」とは、なかなか寝つけなかったり、何度もなんども目が覚めてしまったり…読んで字のごとく“充分な睡眠がとれない状態”のことをいいます。
【不眠症の種類】
不眠症には下記の4パターンがあります。単独でおこることも、いくつかの症状が同時におこることもあります。
⚫︎入眠困難:なかなか眠りにつけない
⚫︎中途覚醒:夜中になんども目が覚める
⚫︎早朝覚醒:早く目が覚めてしまう
⚫︎熟眠障害:眠りが浅く疲れが回復しない
子供の場合はなかなか寝つかずにグズったり(30分〜1時間以上)、夜中になんども起きてママパパを困らせてしまいます。
これらの症状が週2〜3回みられ、それが1ヶ月以上つづくようであれば「不眠症」を疑ってください。
【不眠症の日中への影響】
昼間に疲れや眠気を感じたりするのはもちろん、イライラして機嫌が悪くなったりします。
特に子供の場合は、集中力がなくなったり落ち着きがなくなったりする症状が見られますね。
【不眠症の原因とは?】
引越しや進学などによって環境が急に変わったり、ストレスや緊張などの心理的な要因が考えられます。
また、薬の副作用やカフェインの取りすぎによるもの、不規則な生活習慣によっても不眠症が引きおこされます。
過眠症
「過眠症|かみんしょう」とは、夜しっかりと眠っているのに関わらず、昼間に強い眠気におそわれて起きていられなくなる症状です。
【過眠症の影響は?】
子供の場合は、日中に落ち着きがなくなりチョコチョコと動きまわったり、注意が散漫になったりします。
また、なにをしてもダルく疲れていて、記憶力や集中力がなくなり、学校の成績が急に悪くなる…などの影響があります。
【過眠症の種類は?】
子供の過眠症のほとんどは、生活習慣の乱れなどなんらかの原因で寝る時間が遅くなっている「睡眠相後退症候群」であると言われています。
ほかにも、まれではありますが「ナルコプレシー」「突発性過眠症」「反復性過眠症」という疾患もみられます。
いずれも10代で発生することが多い疾患で、昼間に我慢ができないほどの強い眠気があり、居眠りをしてしまいます。
【過眠症の原因は?】
過眠症の原因は、大きくわけると下記の3パターンが考えられます。
生活習慣の乱れ
ゲームやインターネットなどを夜遅くまで続けていたり、親の帰宅時間がとても遅かったり、また親の生活習慣が乱れていたり…さまざまな理由で眠りにつく時間が遅くなり、慢性的な睡眠不足になっている。
夜間の睡眠障害
夜、寝ているあいだになんらかの睡眠障害が発生しており、慢性的な睡眠不足におちいっている。
脳機能の異常
脳内の“目が覚めている状態をキープするための機能”がうまく働かなくなっており、おきていられない。
不眠症はなかなか充分な睡眠時間をとれない症状ですが、過眠症は不眠症がつづいた結果として引き起こされることも多いようです。
夜驚症
「夜驚症|やきょうしょう」とは、夜中にとつぜん目を覚まし、恐怖や不安から泣き叫んだりあばれたりする症状です。心拍数の上昇なども見られます。
呼びかけても反応がなく、しばらくすると何事もなかったかのようにまた眠りにつきます。本人に自覚はなくまったく覚えていません。
夜驚症は小さい子供にも比較的よく見られる症状で、成長とともに自然に治ります。2、3歳〜12歳ではじまることが多く、大人にはほとんど見られません。
別名「睡眠時驚愕障害」ともよばれています。
【夜驚症の原因は?】
ストレスや緊張などの心理的な要因だという説もありますが、実はよくわかっていません。
【夜驚症の治療法は?】
基本的には成長とともに治るものですので、治療は必要ないことがほとんどです。
数ヶ月〜数年続く場合がありますが、あまりにひどい場合には他の疾患が影響している場合がありますので医師の診察をうけてください。
また、睡眠不足や疲労、ストレスが起因している場合もあります。その場合は睡眠時間を多めにとったり、スキンシップをとって心理的な要因を取りのぞくようにしてあげてください。
悪夢障害
悪夢がつづいて慢性的に睡眠不足などを引きおこす症状を「悪夢障害|あくむしょうがい」といいます。
ただし悪夢を見ること自体はそれほど悪いことではありません。子供は悪夢を見ることで、日常生活で経験した怖い経験を自分のなかで処理しているからです。
【子供は悪夢を見やすい?】
また、悪夢は大人よりも子供のほうがよく見ます。3歳〜小学生くらいまでの子供に多く、ピークは6歳〜10歳くらいです。
【悪夢の原因は?】
日中に怖い体験やショックを受けたとき、強いストレスを感じたときなどに悪夢を見ることがあると考えられています。
また、薬やアルコール、PTSD(心的外傷後ストレス障害)などでも悪夢が引きおこされます。原因不明の悪夢が頻繁につづく場合は薬の副作用を疑うなど、医師の診察をうけてください。
夢遊病
「夢遊病|むゆうびょう」とは、子供が夜中(就寝から1〜2時間後)にとつぜん目を覚まし行動する症状のことで、睡眠時遊行症とも言います。
ベッドにただボーッと座っているだけのものや、部屋のなかを行ったり来たりするもの、ひどい場合だと服を着替えて外に出てしまうパターンもあります。
軽度のものでは、急にムクッと起きて家のなかをトコトコと歩き、ママパパの布団にもぐりこむというものも。うちの子はこのパターンですね…。
いずれも子供に自覚はなく、熟睡状態なので声をかけても反応が薄かったり、朝起きてもまるで覚えてないことが特徴です。
【夢遊病の原因は?】
夢遊病の原因はまだはっきりと解明されていませんが、大脳皮質の一部がまだ未発達なためと言われています。
意識の部分は眠っているのに関わらず、運動の機能だけが覚醒しているため、ふらふらと体だけが行動します。
夢遊病は、4歳〜10歳くらいまでの子供に特に多く発症し、ほとんどの場合は成長とともに自然になくなるようです。
【夢遊病の治療法は?】
子供の夢遊病の場合、前述したように脳の発達が未熟なことが理由であることが多いため、積極的に治療する必要はないと言われています。
軽度のものは放っておいても問題ありませんが、家の階段や段差をカバーしたり、ガラスや陶器などは手の届かないところに置くなど、フラフラとぶつかってケガをしないように注意しましょう。
大人の夢遊病の場合や、子供でも症状の重い場合(たとえば外に出てしまうなど)は、しっかりと医師の診察を受けてください。投薬などで症状をおさえることもできます。
また他の睡眠障害とおなじく、規則正しい生活をして、充分な睡眠をとることがいちばんの解決策と言えます。
夜泣き
「夜泣き|よなき」とは、文字通り赤ちゃんが夜中に泣く行為です。これに悩まれているママも多いことでしょう。
ちなみにミルクを欲しがって泣いたり、オシッコやウンチで泣くものは夜泣きとは言いません。夜泣きとは泣いている原因がわからないもののことを指します。
【夜泣きはいつまで続く?】
一般的に夜泣きは生後5ヶ月くらいからはじまり、生後9ヶ月ころピークを迎え、1歳半くらいまでつづくことが多いようです。
もちろん個人差がありますので、ほとんど夜泣きをしない子もいますし、新生児から2歳をすぎるまで夜泣きがつづく子もいます。
【夜泣きの原因は?】
赤ちゃんの夜泣きは病気や疾患ではありません。赤ちゃんが成長していく中であたりまえにおこる生理現象のようなものです。
人間は寝ているあいだ浅い眠りと深い眠りを繰り返していますが、赤ちゃんはまだ眠りのサイクルが未発達なため、浅い眠りのときに目を覚ましてしまい、夜泣きをおこすのです。
【夜泣きの対策は?】
実は夜泣きの根本的な解決策はありません。成長の過程でおこるものですから、基本的には時が解決してくれるのを待つしかありません。
少しでも泣きかたを抑えるためには、抱っこしたり音楽を聴かせたりして落ち着かせる、生活のリズムを整える、赤ちゃんの体(特に下半身)を冷やさないように温かくしてあげる….などいくつかの方法があります。
これ以外にも以前の記事(ママ必見!赤ちゃんを“泣きやませる”7つの魔法テクニックとは?)で紹介した方法も試してみてください。
夜尿症(おねしょ)
「おねしょ」とは子供が寝ているあいだにオシッコを漏らしてしまうことですが、これは比較的どの子供にも見られるごく当たり前の症状です。
ただし、5歳〜6歳になってもおねしょが治らず、頻繁に(週2〜3回以上)おねしょをしてしまう場合は「夜尿症|やにょうしょう」という病名でよばれます。
おねしょも夜尿症も、子供の脳機能やぼうこうが未発達なためにおこる場合がほとんどですので、基本的に治療はおこなわずに自然に治るのを待つのがいいでしょう。
おねしょについては過去の記事(子供のおもらし・おねしょ|その原因と治し方まとめ)にくわしく説明していますので、ぜひご参照ください。
睡眠時無呼吸症候群
「睡眠時無呼吸症候群|すいみんじ むこきゅう しょうこうぐん」とは、睡眠中に断続的に呼吸が止まってしまう症状のことです。
大人の男性に多い症状ですが、子供にも見られます。また多くの場合は“苦しそうないびき”を伴います。
下記に当てはまる場合は、睡眠時無呼吸症候群と診断されます。
⚫︎呼吸が止まったり頻度が低い状態が、1時間に5回以上ある
⚫︎10秒以上も呼吸が止まったり頻度が低い状態が、一晩に30回以上もおこる
気になる場合は、子供が寝ている様子をよく観察し、呼吸が止まっていないか?止まっているならどのくらいの頻度か?をチェックしてみてください。
【睡眠時無呼吸症候群の影響は?】
睡眠中に呼吸が止まってしまうため酸素不足の状態となり、長時間の睡眠をとってもなかなか疲れがとれなかったり、昼間の眠気に悩まされたりという影響があります。
そのため、学校でも集中力が途切れ落ち着きがなくなったり、倦怠感がつづきヤル気がおきなかったり…結果的に勉強が手につかず成績が落ちるなどの影響もおこります。
また、睡眠中に分泌されるはずの成長ホルモンが妨害されるため、体や脳の発達が遅れるなどのリスクもあります。
【睡眠時無呼吸症候群の原因と対策】
睡眠時無呼吸症候群の原因は、呼吸をする際の空気の通り道がふさがれるためです。
アデノイド、扁桃腺の肥大
アデノイドの肥大や口蓋扁桃の肥大によって気道がふさがれてしまい、無呼吸・底呼吸がおこる場合があります。
アデノイド肥大は3歳〜6歳、口蓋扁桃肥大は5歳〜8歳の子供によく見られる症状です。ひどい場合には手術でとってしまうことをお勧めします。
肥満によるもの
極度の肥満により首まわりに脂肪がつき、気道がふさがれてしまう場合もあります。食事や生活リズムの改善、運動する習慣をつけるなどで、肥満を解消しましょう。
鼻づまりによるもの
副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎などによる鼻づまりも、無呼吸・底呼吸の状態を引き起こします。
耳鼻科の治療を受けたり、ブリーズライトのような鼻の空気の通り道を確保するシールを貼るという一時的な対策もあります。
むずむず脚症候群
「むずむず脚症候群」とは、じっとしている時や横になっているときに、足の奥のほうがむずむずゾワゾワする違和感や不快感を感じる症状で、夕方〜夜間にかけて多く発生します。
そのため、夜なかなか寝つけなかったり、夜中に何度も目が覚めてしまいます。
高齢者に多い症状といわれていますが、最近では子供の発症事例も多く報告されています。
【むずむず脚症候群の原因とは?】
むずむず脚症候群の原因はあまりわかってはいませんが、脳内のドーパミンの機能異常や、鉄の欠乏、子供に多いものでは遺伝によるものなどが考えられます。
また、他の病気からの影響をうけている可能性もあるため、いずれの場合も医師による診察をうけるようにしましょう。
最後に…|睡眠を軽く考えてはダメ!
いかがでしたか?
今回は子供に見られるさまざまな睡眠障害、気になる夜間の症状をご紹介させていただきました。
睡眠障害は軽度の差こそあれ、夜間だけでなく昼間にもさまざまな悪影響をおよぼす、たいへん影響範囲の広い疾患です。
もし自転車に乗って車通りのはげしい道路を走っているときに、急に強い眠気に襲われたらどうなるでしょう?
河川のそばや高低差のある道を、寝不足のままふらふら歩いたときに、何かにつまずいて転んだりしたらどうなるでしょう?
睡眠障害とは、場合によっては生命も奪いかねない重大なリスクをひめた疾患なのです。
気になる症状がある場合は、まずは医師の診察をうけましょう。また、生活習慣をみなおして規則正しく健康的な毎日を送ることを大切にしましょうね!