乳歯は生えかわるから虫歯は怖くない!…なんて油断しているママはいませんか?
実は子どもの虫歯って、私たちが考えているよりもとっても怖いものなんですよ!
今回は子どもの虫歯と、その予防方法についてまとめてみました。
目次
乳歯はいつから生える?
赤ちゃんの乳歯は生後3ヶ月から9ヶ月くらいまでに生えはじめます。
赤ちゃんによっては1歳を過ぎても生えない子もいますが、歯の生える時期や順序は個人差が大きいので、あまり気にすることはありません。
そのほか、乳歯は下記のような時期と順序で生えてきます。だいたい2歳半〜3歳半くらいまでに乳歯は生えそろいます。
[乳歯が生える時期と順序]
⚫︎生後3~9ヶ月 下の前歯が生えはじめる
⚫︎生後6~12ヶ月 上の前歯が生えはじめる
⚫︎生後10ヶ月~1歳 前歯が上下4本ずつに
⚫︎1歳~1歳半 最初の奥歯が生えはじめる
⚫︎1歳半~2歳半 犬歯が生えはじめる
⚫︎2歳半〜3歳 2番目の奥歯が生えはじめる
乳歯が生えはじめると同時に、虫歯のリスクもはじまることになります。
乳歯はやがて大人の歯(永久歯)に生えかわりますが、だからと言って乳歯の手入れを怠って良いわけではありません。
乳歯が虫歯になると、とても怖いことになるのです…。
乳歯が虫歯になると…?
乳歯が虫歯になると、それがたとえ小さなものであっても急速に進行してしまいます。
乳歯は永久歯に生えかわりますが、乳歯が虫歯だと永久歯も虫歯になっている可能性が高いのです。
また、虫歯は進行すると歯髄(歯の神経)に感染し、歯根の先に病巣をつくります。
これを放っておくと歯肉に穴をあけて膿(うみ)のかたまりをつくり、そこから膿がつねに流れ出す状態となります。
膿は赤ちゃんの体内にはいり、腎炎・敗血症・心臓疾患・関節リウマチ・神経疾患などを引きおこすこともあるのです。
また乳歯が虫歯になると、食べものがうまくかめないため、あごや顔の発育が遅れてしまったり、かみ合わせや歯並びが悪くなってしまうなどの影響が出てしまいます。
…このように乳歯が虫歯になると、歯そのものはもちろん、カラダ全体に悪影響を与えてしまうのです。
「たかが虫歯だから…」「どうせ生えかわるから…」と油断せずに、正しいお手入れで虫歯を予防することが重要なのです。
虫歯の原因は?
赤ちゃんや子どものお口の中に、食べもののカスや飲みものの残りがあると、虫歯菌(ミュータンス菌など)によって歯垢(しこう)がつくられます。
この歯垢が歯を溶かすことによって、虫歯になるのです。
虫歯菌のおもな栄養はショ糖(砂糖)です。なので、離乳食やおやつ、ジュースなどで甘いものをあげた際はとくに注意が必要。
これら甘いものを子どもにあたえた際に、歯みがきや口をゆすがせずに放っておいたり、そのまま寝かせてしまっていると…それが原因で虫歯になるのです。
母乳やミルクは虫歯の原因になる?
よく、ママのおっぱいやミルクも虫歯の原因になるの?という質問を見かけます。
結論から先に言ってしまうと、甘いおやつやジュースほどには虫歯になるリスクは高くありません。
しかし100%虫歯になるリスクはないか?と問われれば、その答えはNOです。
母乳の成分である乳糖は、虫歯菌の増殖とはあまり関係がないと言われています(かと言って絶対に虫歯にならないわけではありません)。
また、母乳にふくまれるラクトフェリンは虫歯菌の増殖を抑える働きがあります。
母乳やミルクが虫歯を引きおこすリスクはとても低いと言えますが、虫歯の予防は常日頃からしっかりと行ない、リスクに備えるようにしましょうね。
虫歯はママやパパからうつるって本当?
本当です。
子どもは虫歯の原因となるミュータンス菌などの細菌をもたずに生まれてきます。
虫歯菌をもたない子どもが虫歯になってしまうのは、残念ながらママやパパなど他人から虫歯菌に感染してしまうことが原因です。
子どもにキスをしたり、子どもの食べものをママやパパが噛み切ったり、口に含んで冷ましてから子どもに与えようとする際に、虫歯菌が親のだ液を介して子どもに移ってしまいます。
なるべくだ液が子どもに移らないように注意すると共に、ママ・パパ自身が虫歯菌を繁殖させないように、虫歯予防やお口のケアを充分に行なう必要がありますね。
子どもの虫歯は気づきにくい?
赤ちゃんや小さな子どもの虫歯は気づかない間に進行してしまいます。
急激に進行するために痛みを訴えることなく、気がついたときにはかなり進んでいることが多いためです。
ふだんからよく口の中を観察するとともに、左右の片方の歯だけで物をかんでいないかどうか? 冷たい飲みものをあたえたときに痛がるようすを見せないかどうか? …などを注意して見るようにしましょう。
虫歯の正しい予防とは?
乳歯が生えはじめたら、清潔なガーゼで水に濡らしながら歯や歯肉を拭いてあげるようにしましょう。
これは2歳ごろまで毎晩、寝る前におこなってあげると良いですね。
歯が4本くらい生えてきたら、歯みがきを始めましょう。
あまり強く磨くと歯ぐきや口内を傷つけてしまいますから、優しくゆっくりと磨くように心がけてくださいね。
歯みがき粉は子どもによっては嫌がる場合も多いですし、歯みがき粉にふくまれる研磨剤がまだデリケートな口の中を傷つけてしまいますので、つけなくて構いません。
また、糖分をあまりふくまない食べものや飲みものを与えるように注意しましょう。
たとえばジュースではなくお茶(カフェインレスのもの)を与えるとか、砂糖ではなく人工甘味料のおやつを与えるなどです。
食事やおやつのあとは歯みがきや口をゆすがせて、お口の中に食べもののカスが残らないようにしてください。
さらに、バランスの良い食事と規則正しい食生活を守り、定期的に歯医者さんに虫歯をチェックしてもらうようにすれば完璧ですよね。
子ども自身に歯みがきさせる?
子ども自身に歯みがきをさせるトレーニングは大切ですが、まずはママやパパが忘れずに歯みがきをおこなってあげ、歯みがきを習慣化することが重要です。
もし子どもが「自分でやる!」と言ったら、もちろん自分でやらせてあげてOKです。
歯ブラシに慣れるためにも、子どもが自分の手でみがく練習をすることはとても大切な行為です。
その場合は、くわえた歯ブラシでノドをついて痛めたりしないよう注意しましょう。歯ブラシをくわえたまま歩きまわるのはとても危険ですので、絶対にやらせないようにしましょうね。
また、小さい子どもは自分で上手にみがくことができませんので、しばらくはママやパパが仕上げを担当してあげてください。
年齢別の虫歯予防のポイント
以下に、年齢別の虫歯予防のポイントをまとめてみました。
0~2歳|乳歯の生えはじめ
糖分を含むジュースや酸性の飲みものを与えないようにしましょう。食事後はガーゼなどで歯や歯ぐきを拭いてキレイに。ママやパパが毎日お口の中をチェックすること。
2~3歳|乳歯が生えそろう時期
歯みがきを始めましょう。子ども自身にみがかせてもOKですが、その場合はママが仕上げを行います(子ども自身がしっかりみがけるようになる7〜9歳ころまで)。
3~5歳|乳歯が生えたあと
毎日の歯みがきを習慣化しましょう。歯みがき粉を使った歯みがきにもチャレンジ。フッ素入りの歯みがき粉を利用すれば、より虫歯の予防となります。
食べたらみがく、食事やおやつの時間など正しい生活習慣を身につけましょう。かかりつけの歯科医を見つけるのもこの時期がベストです。
5~10歳|永久歯の生えはじめ
奥歯や犬歯の永久歯が生えはじめる時期です。とくに奥歯は虫歯にかかりやすいので注意しましょう。
フッ素を塗ったり、シーラント(奥歯のミゾを合成樹脂などで埋めて虫歯を予防する方法)などを行っても良いですね。
この時期は歯みがきの習慣化だけではなく、正しいブラッシング方法を教えるようにして下さい。
10歳〜|永久歯が生えそろう時期
引き続き、正しいブラッシング方法を習得しましょう。虫歯のしくみや、歯垢や歯石、歯周病、正しい食生活などの知識を得られるように工夫してあげてください。
[文:ぷぅこ]